かねやまの宝

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郷土料理

きょうどりょうり

郷土料理 郷土料理

ふるさと金山の味を次の世代にも伝えていきたい

郷土料理
目黒 喜代子めぐろ きよこさん 押部 チヨおしべ ちよさん

 地元では料理名人として知られる目黒さんと押部さん。ふるさとの味を若い世代にも伝えたいと、定期的に郷土料理の講習会を開き、その普及に努めています。「金山町は田んぼが少ないからね。ご飯の代わりに腹持ちのいい芋類を混ぜたり、そば粉で焼き餅を作ったり。郷土料理には昔の人の知恵や工夫が詰まっているんだよ」とお二人。ここでは、季節の変わり目や晴れの日によく作られきた金山町を代表する3品をご紹介します。

正月や祝い事の席には欠かせない晴れの日の料理「こづゆ」

こづゆ

 干し貝柱でダシをとる「こづゆ」。山あいの金山町では、その干し貝柱を手に入れるのも大変だったため、かつて「こづゆ」は贅沢な料理でした。その代わりキクラゲやシイタケ、マイタケは山に豊富にあったので、乾燥させて保存食にしていました。具材は7種類以上。家によっては、ちくわや鶏肉、銀杏を入れるところもあります。

こづゆ1
干し貝柱を水から茹で、沸騰したら弱火にして2~3時間煮てとっておく。
こづゆ2
ニンジンと里芋はひと口大、戻した乾燥キクラゲは食べやすい大きさに切る。
こづゆ3
糸こんにゃくは食べやすい大きさに切り、沸騰したお湯に入れてさっと茹でる。
こづゆ4
干した貝柱や椎茸、舞茸の戻し汁に野菜やキクラゲ、糸こんにゃくを入れて煮る。
こづゆ5
具材に火が通ったら醤油、塩を入れて味を整える。
こづゆ6
最後にぬるま湯で戻した豆麩を加えて完成。

冬至カボチャの代わりに作る季節の料理「煮ぐるみ」

煮ぐるみ

 小豆、里芋、カボチャ、さつま芋などを甘く煮た汁に、腹持ちのいいすいとんを入れた「煮ぐるみ」。冬至かぼちゃの代わりに食べる冬の料理です。かつて砂糖は貴重品だったため甘さは控え目に。そうするとさつま芋の甘さがより引き立ちます。現在はすいとんの粉を使いますが、昔は身近にあったそば粉を使う家も多かったようです。

煮ぐるみ1
里芋やかぼちゃ、さつま芋は食べやすい大きさに切り、水から煮る。
煮ぐるみ2
すいとんの粉を水でといて練り、耳たぶくらいの柔らかさにする。
煮ぐるみ3
すいとんは食べやすい大きさにちぎって平たく丸め、沸騰したお湯で茹でる。
煮ぐるみ4
野菜の入った鍋に、事前に煮ておいた茹で小豆を加える。
煮ぐるみ5
砂糖と塩で味をつける。
煮ぐるみ6
最後に茹でておいたすいとんを入れ、もう一度味を整えて完成。

畑で採れたこんにゃく芋で作る「刺身こんにゃく」

刺身こんにゃく

 昭和50年代頃までは、こんにゃく芋の産地として有名だった金山町。中でも上野原地区には、こんにゃく団地と呼ばれる芋畑が広がっていました。加工に適した芋になるまで丸3年。手間は掛りますが、冬場の保存食にもなるので自家用に作る家も多かったようです。自家製こんにゃくは、煮しめや筑前煮などにも利用されます。

刺身こんにゃく1
鍋に水と精製ソーダを入れて火にかけ、とかしておく。
刺身こんにゃく2
こんにゃく芋の皮をむき、1cm角に切り、水と一緒にミキサーで擦り下ろす。
刺身こんにゃく3
鍋に2と水を入れ、中火で固まるまで混ぜたら火を止め、ソーダを入れて混ぜる。
刺身こんにゃく4
バッドに流し入れ、空気を抜いて整え、一晩冷ましてから切り分ける。
刺身こんにゃく5
沸騰したお湯にこんにゃくを流し入れ、1時間程度煮る。
刺身こんにゃく6
刺身状に薄く切り分け、皿に盛り付けたら完成。
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